エストロゲンとコラーゲン、老人性膣炎,性交痛








子どもの頃、おかあさんのあのやさしい手の感触はどの方も記憶していると思います。あのまろやかさ、潤いはエストロゲンのおかげなのです。エストロゲンが出なくなると老人のあのしわしわの手になって行きます。図表3はHRTをすることにより、コラーゲン繊維が増え肌の張りが良くなることを表しています。当然、化粧のりも良くなり、しわも少なくなる可能性があります。髪の毛も増えます。
また、膣はエストロゲンの支配下にありますので、閉経後数年経つと膣炎を起こしてきます。エストロゲンがでなくなると皮膚と同じように膣粘膜も薄く萎縮し、傷つきやすく、感染しやすくなり、その上、膣の自浄作用(エストロゲンが出ている間は膣内は酸性に保たれ、外からの細菌感染を防いでいる)がなくなるので、HRTをしていない方は萎縮性膣炎(老人性膣炎)になっています。そのような状態なのにご主人に求められれば”針のむしろ”です。50才で”老人性膣炎”とはと怒られてしまいますが、つい最近まで50才は老人だったのです。それを境に女性の性欲は急速になくなります。しかし、男性の男性ホルモンはゆるやかに減少していくので中高年の性の不一致はこれからの重要な課題であります。そこにHRTを行うことで性の不一致は見事に解消されます。

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