9回 「札幌 下田塾」講義録

 

更年期障害の治療でホル モン剤がかなりもてはやされています。ホルモン剤で更年期障害そのものは軽くなるけれど、乳癌と脳梗塞の患者さんが30%ぐらい増え、プラス効果よりマイナス効果が非常に大きい、ということ がアメリカでいきなり発表されました。これは僕は前から外来で言っていたことなのです。昔、ホルモン剤を使っていた時は子宮癌が多発し一旦中止になったの ですが、ちょっとホルモンの分量を調節してやったら婦人科の癌は出なくなったというので、ホルモン剤を積極的に使うことが増えてきているのです。ところ が、診療していると婦人科の癌は出ないのですが、他のところがおかしくなってきて、詳しく話を聞くと、ホルモン治療をしていると言う人が結構います。そし てそのホルモン治療を止めさせると正常に戻ってくる人がよくいるので、これはやはりおかしいと思っています。不自然な治療、自然に逆らう治療というのはダ メなのです。更年期以前の女性が子宮や卵巣を切除した時に、更年期までホルモンを補充するのは、これは自然なのです。例えば甲状腺切除後に甲状腺ホルモン を使うとか、膵臓を全摘した人がインシュリンを使うのは自然なのです。本来、卵巣機能が自然に低下してきたのに、それにホルモンを使って、そこだけをあた かも年をとらさないようなやり方をするというのは、やはり他のところに負担をかけているという事です。人間は万遍なく年をとっていけば、本来は症状は非常 に出しにくいのです。ただ御婦人の更年期というのはかなり急激に変化する時期なので、一時的にかなり強い症状を出す場合はあるというだけでうまくやればほ とんど乗り切ることが出来るのです。相生関係は右回りで内側の矢印が相克関係です。ホルモン治療をするのはどういう事かということが問題なのです。要する に年齢相応に変わって行っているときは、ほぼ五臓は均等に衰えて行っているはずなのですが、女性ホルモンというのは腎が実際は衰えかけているのに、その腎 を少し持ち上げます。卵巣は肝に属するので卵巣ホルモンは肝を持ち上げます。それで肝と腎は仮に見せかけ上、上がった様な状態になります。そうすると、脾 は腎から水を奪うという形で克するのですが、腎が上っても水を多くもらうだけで脾は得するのですが、脾は見せかけ上、肝が上るということで抑えられている のです。脾はプラスマイナスゼロで脾の症状はあまり出しません。ところが、心はそのたびに肝が上って、沢山栄養をもらいます。腎の水が多量になると心は頑 張らなければなりません(相克関係)。肝と腎の影響を受けて心はオーバーワークになってしまいます。だから脳梗塞になるのです(心=脳)。それよりももっ と厳しいのは肺です。肺の子の腎が上って、母の言うことを聞かない。そして本来、克すべき肝が上るので、肺は家来(肝)が言うことを聞かないという状態に なります。これは下克上の世界になり、肺の生命力が奪われます。乳房は肺の支配です。だから乳癌が出るのです。多分、乳房だけでなく皮膚等の肺の支配の部 分に、癌が将来出てくるのではないかと思います。多分そうじやないかなとずっと思っていたら、アメリカでそういう発表があり、やはりそうかと思いました。 とにかく自然の流れに乗った治療かどうか疑問に思ったら、やはり考え直してみるべきです。

今日は白虎加人参湯から です。これは傷寒、金匱に乗っている処方です。白虎というのは四方神です。単に石膏が白いから白虎というのではないのです。青竜があって玄武があって白虎 があって朱雀だけがないのです。昔のお墓の入口には朱雀が書かれてないこともあるのです。何故、南が入口になるのかというと、君子が南面するからです。北 を背に君子は居るからです。白虎は四方神で言えば西、季節で言えば秋、時刻で言えば夕方です。白虎湯と言うのは非常に使いにくい薬です。現実に僕は白虎湯 という処方をそのまま使うことはほとんどありません。何故かと言うと白虎湯は歯止めの効かない部分があるのですが、それに人参が加わることによって非常に 使いやすい薬になるのです。そして白虎加人参湯は急性疾患である陽病と慢性疾患である陰病とに使い分ける時、かなりはっきりした違いがあるのです。どちら でも白虎加人参湯という処方を説明は出来るのです。白虎という意味は普通で使うときは急性疾患の熱性病で夕方に下熱すべきものが、夕方になるたびに発熱す る。白虎湯の主薬は石膏です。石膏は陽明の薬の代表です。ちなみに他の陽明の薬の代表は葛根と大黄です。炎症が気管の深いところ、あるいは胃に入って、臓 まで入ってしまったら、陽明ではなく陰病になります。陽明の腑あるいは肺の子分である気管ぐらいに熱が入っていった 時、夕方になると熱が出るのです。知母は解熱薬というよりも清熱薬で本当に熱さましです。ほとんどの風邪薬は辛温解表薬と書いてあります。前にも話したと おり、風邪と言うのは寒い邪が入っているのに、西洋医学の風邪薬は冷やすので悪化すると言いました。それに対して東洋医学の薬は温めて寒邪を中和して、結 果として人間の体が熱を出さないでよい状態にするのだと言いました。知母はNsaidと 同じで冷やす薬なのです。知母は尿路や下半身に向かわせる薬ですが、疾患の特異性はないのです。例えばリウマチを治す作用とか免疫を動かす作用とかはない のです。本当の非特異的な消炎剤です。要するに陽明の熱を冷ます石膏と、非特異的な消炎剤の知母を使わなければならない状態の時は、急性の陽病ではかなり 炎症が続いており、大抵は脱水症状があって悪寒ではなくて熱感が続いている状態です。この状態は陽明の臓である肺や脾が焼かれつつあります。この通りであ れば白虎湯で良いのですが、やはり石膏や知母だけを使うのはちょっとおっかないですね。梗米は一説には石膏や知母の作用を和らげていると言うのですが、よ く分からないのです。梗米と言うのは玄米に近いものです。結局こういう状態で使いますから臓を守る人参を入れてあるので、副作用が少なく改善させる作用に なります。白虎加人参湯はそんなにやたらと使う薬ではないのですが、麻黄湯の時に話した様に、普通の西洋医学の薬で解熱できないのは、麻黄湯の時か白虎加 人参湯の時です。麻黄湯のときとは違うのですが、白虎加人参湯の時は陰が焼かれてしまって、発汗解熱するのに充分な陰液がなく、発汗解熱すれば陰液が虚し ますので、ますます内熱が出ます。陰虚内熱と言うのは本来陰病に使う言葉です。内因性の疾患で臓の部分が虚してくると中から熱が出てきます。一番典型的な のは癌の末期とかいわゆる悪液質の時に陰虚内熱に近いそういう状態があります。これは東洋医学的にも壊病に近いそういう状態があります。西洋医学的には解 熱剤をどんどん使うので、この状態がかなり出て非常に体液を損傷させてしまいます。前に話した様に発汗させるのは皮下の水分を皮膚から出します。皮下の水 は陰から持ってきます。陰から供給し過ぎて、陰の水が少なくなってしまうと、最終的には解熱剤の坐薬を使ったときだけ熱は下がるけれども、すぐまた熱が上 がるという状態になります。発汗解熱も充分でないし、陰液が不足するから内熱を生ずるという悪循環の状態です。これはインフルエンザの時や子供の発熱に医 原性疾患としてこの状態になります。大人はあまりならないようです。大人の場合は柴胡桂枝乾姜湯の状態になります。柴胡剤の状態になると言うのは敗北なの です。他で治療して治らないで僕のところに来る方が時々います。子供が白虎加人参湯の状態になると特有の臭いがします。問診でも分かるのですが、部屋に 入って来た瞬間に分かります。

甘酸っぱいような口臭、 醗酵臭が息から出てくるのです。胃や肺が熱で焼かれつつあるからです。子供の息というのは歯を磨いていなくてもかぐわしいものです。一般的に子供は良い匂 いがします。白虎加人参湯の時の口臭は部屋に入ってきた途端にうっと息が詰まる様な臭いです。大人の歯周病の時の口臭とも違います。本当に、ああ熱から来 る口臭だなということが分かります。一回嗅ぐと忘れません。母親から聞くと上記のような白虎加人参湯の状態で「熱さましをいくら使っても下がらないので す」とおろおろして言います。そしてこのときは白虎加人参湯が非常に良く効きます。一服飲ませたらどんどん状態が変ってきます。そして喜んで飲みます。但 しエキス剤で飲ませます。外から入る病気は煎じ薬は強過ぎる様です。逆に陰病に使う時は煎じ薬にします。エキス剤の白虎加人参湯は石膏や知母の副作用をあ んまり強く出さないで、更に人参でマイルドにしてあり体にやさしく作用します。前から言っている様に一つの薬を陰病と陽病の両方に使うのですが、他の薬は エキス剤でも、煎じ薬でもまああんまり変わらないと言えば変らないのです。リウマチなんかの柴胡剤は始めから煎じ薬では使わないのですが、全体まるごと、 陰病と陽病でこれだけはっきり分かれる薬と言うのはあまりないのです。だから白虎加人参湯のエキス剤は、陽病で使う時は圧倒的に使いやすいし飲ませやすい し副作用なく、よく効いてくれます。そんなに頻繁に遭遇する事はないのですが、非常に使い手のある薬です。ところが、今度は陰病に使うときは、この白虎加 人参湯は煎じ薬として使うと非常に良く効きます。何に使うかと言うと、昔から言われているように糖尿病に使います。他の教科書には糖尿病のところに八味地 黄丸、五苓散等が出ています。随伴症状はある軽度良くなるのですが、糖尿病で八味地黄丸を使わないといけない時というのは、末期でどっちみちダメです。五 苓散も喉の渇きに効くぐらいで、本質的に改善しません。だって糖尿病の状態というのは間違いなく、東洋医学でも西洋医学でも脾が落ちているのです。イン シュリンがどうこう言う前に、脾の消化吸収して体全体に栄養をまわす機能が総合的に落ちているのです。では、白虎加人参湯の成分の中に血糖を下げる作用の ある薬味があるのかということですが、ないのです。薬屋は朝鮮人参は血糖を下げるのだと言いますが、厳密に実験すると実は血糖は下げないのです。場合に よっては逆に上げることもあります。では何故そういうデータが出るかというと、確かに人参を使うことで脾の機能が全体的に高まっていくので、代謝系が良く なり結果として血糖が下がる場合もあります。インシュリンをどうこうするのではないのです。でもちょっと昔までなら、糖尿病の治療はインシュリンの事しか 考えていなかったのですが、今は糖尿病のコントロールの考え方が全然変ってきました。インシュリンよりもインシュリン抵抗性の方が問題になってきていま す。それと体の中の糖利用ですね。そうすると将に白虎加人参湯はそれをやっているのです。水の代謝を良くし、知母は少し泌尿生殖系に作用して内分泌系も不 安定になっているのをある軽度調節します。人参は煎じ薬で使うのはエキス剤の人参とは全然違うのだという話をしました。量も人参15gと 書いてあります。矢数先生の本では3gと書いてあります が、僕なんかは思い切って6g使います。それぐらい思い 切って使ってやると、全体として驚くぐらい糖代謝が良くなります。もちろん、これだけでやるとは限らないのです。昔みたいな無理矢理インシュリンを搾り出 すような治療はしませんが、西洋薬も併用します。結構、他所でインシュリン治療を受けている方や西洋薬で治療していても、全然コントロール良くないと言う 人が来ます。ではそれは続けてくださいと言って、それに白虎加人参湯をかぶせてやっていきますが、ぐんぐん良くなるのです。実は子供のT型はやったことが ないのですが、成人のT型が来たことがあるのです。そういう治療をしたらインシュリンがいらなくなりました。ずっとインシュリンを使っていたので間違いな くT型だと思うのですが、それは一例だけですから、たまたまだったのかも知れませんが。

要するに、白虎加人参湯 にはインシュリン分泌を促進したり、直接血糖を下げたりする作用の薬味はないのです。でも脾の働きを高めて、体全体の代謝系栄養系を良くするだけできっと インシュリン耐性や糖の利用系が良くなってくるのだろうと思います。その結果、糖尿病と言うのは驚くぐらい良くコントロールされていきます。患者さんは非 常に楽になってきますね。そしてこの場合は煎じ薬でないと全く効きません。

僕も途中まで解らなく て、陽病には効くのだからと思って白虎加人参湯エキスを糖尿病に使ったり、いろいろな薬を使いました。八味地黄丸、五苓散、人参湯等どれも良いところがな かったのです。先程の様に糖尿病の末期で合併症だらけになった人はどうしようもないのですが、まだ合併症を強く出していない方で、この煎じ薬の白虎加人参 湯をある時にふと気づいて、人参を思い切って増やして使ってみたら見事に効き出しました。それから味をしめて使っていたら、ロコミで糖尿病の患者さんが少 しずつ増えてきています。そういう事で白虎加人参湯というのは陽病と陰病でエキス剤が効いたり、煎じ薬が効いたりして面白い薬です。でも、状態としては陽 病も陰病も似た様なものかも知れないのです。いつも言う様に偉い先生達の書いた本はここを全然区別していないのです。エキス剤の使い方のみで書いたり、煎 じ薬の使い方のみで書いたり、どちらかに偏っています。

次は桂枝人参湯です。こ れは今までお話しした人参湯に桂枝が加わっただけです。ただそれだけなのですが、やはり全然違う薬です。前に補すだけの薬は四君子湯だけだと言いました が、人参湯もほとんど補すだけの薬です。ただ、人参湯だけの人とか四君子湯だけの人はほとんど外来に来ないと言う話を前にしました。胃腸の働きの悪い人は 当然太陰の人ですが、今の時代だったらせいぜい健康食品を飲んで、じっと家にこもっているのではないでしょうか。この状態では、わざわざ医療機関まで来な いようです。医療機関を受診するだけでもかえってストレスになりかねないのです。現実に人参湯や四君子湯を単独で処方した経験は30年間で本当に数例しかありません。何かと合わせる事はありますが、そう したら自動的に別の処方になります。たまたま患者さんの家族と話をしているうちに、自分の胃の具合が悪いので処方してくれと言った時、診断したら、たまた ま人参湯や四君子湯だったということはあります。本人がここがこうだと言って受診した人で人参湯や四君子湯の人はほとんど記憶にないです。その軽度の人は 来ないのです。ところが、この人参湯の状態の人は、最近 CT等 で状態を診ていて分かって来たのですが、例えば完全な脳血管障害がおこると、心の病証が強くなってくるので桂枝人参湯の証にならないのです。例えば七物降 下湯等の状態になります。CTで見る限りははっきりした脳 梗塞等がなくて、びまん性に脳の皮質からずっと委縮してくるタイプの人がほとんど桂枝人参湯の状態になってしまうのです。

お年寄りが麻痺がないの に何となくフラフラして元気がなくなり、食欲がなくなるということがあります。脳の症状なのか、胃腸の症状なのか、何か訳が分からない状態です。胃腸が衰 えて、全体的にも衰えて、脳もちょっと衰えた状態の時、そこで胃腸を持ち上げて胃腸の気を桂枝で更に廻らせてあげる、それだけの薬なのです。はっきりした 脳の病巣がなくて、びまん性に萎縮があって、いわゆる太陰だったらうつになるのですが、本来心にも作用する桂枝が加わっているので、その桂枝が人参湯その ものを脳に持っていってしまうのです。使っていて不思議なのです。僕もまだ分からないのです。でも効くのです。どこを検査しても何でもない、だから西洋医 学的にも使う薬がないという状態に使います。脳代謝賦活剤等を使うとかえっておかしくなってしまい、何となく食欲もなく、元気もなく、非常に激しい妄想を 持つ様なものでもなく、少しボケたような症状を出し、ちょっと歩くとフラフラとなるような状態に桂枝人参湯は見事に効くのです。桂枝が加わっているだけな のですが、人参湯の全ての力を桂枝一剤で持っていくのです。人参湯に、もちろん桂枝や桂皮を末で加えても良いです。そんなに急ぎもしない様な気もするので す。急いで効かせたい時は、桂枝末を加えたら良いと思うのですが、エキス剤で揮発成分のない桂枝人参湯で充分な感じがします。附子理中湯に桂枝未を加えた りすることもあります。あるいは桂枝人参湯に炮附子を加えることもあります。これは命名がすごいのです。人参湯に桂枝が加わっただけなのに、傷寒論では桂 枝を先に人参湯を後に書き、人参湯と桂枝を対等に命名してあるのです。要するに桂枝の力が半分、人参湯の力が半分と言う意味です。人参湯の力の大部分は人 参そのものです。これ以外の病気で桂枝人参湯の状態になるのはお年寄りの風邪の時だけです。

普通の時、人参湯を使い たくなるお年寄りが風邪をひいたときだけ桂枝人参湯の状態になることがあります。お年寄りでちよっと頭痛がする、微熱が出る、 ちょっと汗ばむなど強い症状を出さない時に桂枝人参湯を使います。その場合もエキス剤で大丈夫です。陰病の場合も陽病の場合も、エキス剤で効きます。わざ わざ煎じ薬で強く効かせる必要のない状態です。実は特別養護老人ホームがあるのですが、だまって出していると、患者さんの3分の1ぐ らいはこの桂枝人参湯を飲んでいます。そして桂枝人参湯を飲ませるとだんだん元気が出てくるという事は、いつも見ている看護婦さんが分かるのです。最初車 椅子だった人が、いつの間にか歩行器で歩いたり、ベッドでいつも寝ている人が起きていたり、食欲も出てきているとか、何よりも目が輝いてくると言うので す。本格的なボケは治しません。例えばすごい妄想とか幻覚等があったり、徘徊したりする人が良くなるかと言ったらそうではないのです。そこになると始めか ら、脳から出発する何かがあるようです。とにかく何かわからないけれど元気がなくて、フラフラして、ボーツとしているというのに使います。

次は五虎湯です。これも あまり難しくない薬です。麻杏甘石湯に蒼白皮が加わっているものです。この名前はちょっと良く分からないです。石膏があって、全部で五味なので五虎湯にし たのかも知れません。万病回春ぐらいになるとあまり訳が解らないです。あまり良い名前ではないですね。何か誇大広告みたいな名前が多くて、多分三国志か水 滸伝に出てくる五虎将という考え方から来ているのでしょう。要するに偉い五人の将軍を五虎と言うのです。五つの良く効く薬味から成っているぞというので しょうね。悪口を言っていますけれど良い薬です。麻杏甘石湯は気道に良く効くのですが、麻黄湯、麻杏薏甘湯と同じで、どちらかと言ったら急性疾患で、気道 に限らずに使います。麻黄湯は気道の症状がなくても、発熱、悪寒だけにも使います。麻杏甘石湯は気道に使いますが、咳が出なくても一旦発汗、解熱した後 も、熱感と悪寒が続いている時にも使います。それをもっとすっきりはっきり気道に向けるために蒼白皮を加えたのが五虎湯です。陽病の時は遷延性の気管支炎 の時に使います。慢性気管支炎ではなくて外から入ってきた気管支炎が遷延した時に使います。陰病の時は逆に慢性気管支炎がもともとある人が、急性炎症症状 を出したときに使います。この五虎湯という症状になると陽病も陰病も近づいてくるのです。症状も似ていて、陽病と陰病の区別が出来るのは問診ぐらいです。 いつも咳をしているなら慢性気管支炎の急性憎悪だし、いつもは風邪をひかないのに、今回風邪をひいたら、いつまでも咳が取れないといったら遷延しているの だなと判断します。ほとんどかかっている場所は同じです。ただ五虎湯の咳が単純であるならば良いのですが、そうでない場合が多いのです。麻杏甘石湯の場合 は咳き込んでも必ずしも痰はないのですが、五虎湯ぐらいになるとわずかに痰が出てきます。でも痰が絡む咳ではないのですが、五虎湯だけの状態と言うのは意 外に出会いません。遷延性の気管支炎にしろ慢性気管支炎の急性憎悪にしろ五虎湯だけで治まる状態なら、わざわざ五虎湯を使わなくてもそれまでの治療で、あ るいは自然経過で治ってしまうことが多いのです。五虎湯を使わなければならない時は、気道に何らかの他の所見があります。大抵の場合は麦門冬湯を加えて五 虎麦門冬湯として使うか、二陳湯を加えるかして使います。又、滋陰至宝湯や清肺湯や辛夷清肺湯を加えることもあります。滋陰降火湯等はあまり加えるものに ならない様です。

どれにすればよいかは咳 を聞けばすぐ分かります。麦門冬湯だけの状態なら炎症はなく、大逆上気という状態で非常に痰の切れにくい咳をします。要するに、炎症が加わっていると五虎 湯や麻杏甘石湯の状態になります。炎症があるというのは何らかの熱症状があるという事です。そして五虎麦門冬湯は咳き込んで咳き込んで顔が真っ赤になっ て、痰がちょっと切れると楽になり、聞いていると痰が切れる音が聞き取れます。これは聞き取るしかないのです。例えばすごく弱っている人ならそういう咳は 出来ません。五虎麦門冬湯等は結構丈夫な人に使います。五虎二陳湯の場合はどんどん咳き込んで、咳をするたびに水性の痰が出ます。出ても出ても後から水性 の痰が出て来て、自分で肺の中おぼれているという状態です。麦門冬湯は痰を切れやすくしてやり、二陳湯は水を引かせて痰の量を減らしてくれるのです。それ で非常に楽になります。五虎麦門冬湯は昔の人の経験方によく載っているので、良く使う先生は結構居るのです。ただ僕のところに来る人は五虎二陳湯の人が結 構多いのです。五虎麦門冬湯を使う先生は多いからだと思います。五虎二陳湯は使いきれる先生が少ないみたいです。

「いや?、漢方を使う先生の所に行っているんですが良くならなくて。」という人が 来たら五虎二陳湯の人が多いですね。それでスパッと治まった経験が何人かあります。清肺湯は麦門冬湯のお年寄り版です。五虎湯と滋陰至宝湯との組合せにな ると、柴胡が入っているので何らかのアレルギーとか自己免疫疾患の肺線維症、あるいは特発性間質性肺炎がある様な状態に使います。辛夷清肺湯は良く話を聞 くと分かるのですが、胸部にレントゲン所見がはっきり出ます。膠原病等がある訳ではなくて、肺の下の方がつぶれているのです。話を聞くと蓄膿症があり、こ れは鼻汁が肺に下って行くのです。あるいは歯が悪くて誤飲等して、食べたものが下に下って行くという病態です。そういう状態の時、五虎湯と辛夷清肺湯を合 方します。五虎湯は単味で使うのは非常に少ないのですが。インフルエンザの時期に数例あるかなという程度です。むしろ急性気管支炎の遷延や、慢性気管支炎 の急性憎悪の時に五虎湯は非常に良く使います。ちなみに二陳湯や麦門冬湯と五虎湯の組合せは子供が同じ状態になった時は、五虎湯でなくて麻杏甘石湯との組 合せの方が良い場合もあります。五虎麦門冬湯と五虎二陳湯が骨格なのですが、これは繰り返し使っていって感覚で覚えるしかないのです。非常に使い手のある 薬です。

次は升麻葛根湯です。葛 根は葛根湯の時に話しますが、陽明の主薬です。葛根、石膏、大黄と出てくればほとんど陽明の薬です。それぞれ違うのです。陽明の部分を解表するのが葛根 で、石膏は一つは潤す、もう一つは熱を下げる作用です。大黄はどちらかといえば瀉下するのです。外から邪が陽明に入って来て戦っているとき、最初に使うの は葛根です。ほとんどの場合、肺から入り(たまに胃から入るのもありますが)、気道あるいは体表面(陽明の器官の浅い部分)で戦っている時に、そこを解く 薬の代表が葛根です。それに升麻と血の流れを動かす赤芍(エキス剤では白芍でも同じ)です。升麻葛根湯をエキス剤で使ってみても充分効きますので、多分白 芍は関係していないと思います。升麻というのは面白い薬で、下に下っているものは上に持ち上げ、中に寵っているものは外に出すのです。ほとんどそれだけな のです。テキストにはいろいろ書いてあるのですが。実際にそれ以外の作用は使っていて意識したことがありません。升麻をパッと加えるのは簡単に出来るの で、いろいろな薬に加えることも時にやるのですが、ほとんどそれ以外の作用はないようです。升麻葛根湯の場合は体表面にまだ邪があって、外に出さなければ ならない時に、その邪だけを出すのです。升麻が葛根の作用をその部分に向けて、葛根と一緒になって邪を外に出します。升麻はそれだけの作用です。升麻葛根 湯は普通の風邪に使うと、発汗解熱するのかというと、あまり発汗解熱はしないのです。ただ面白いとに何かが外に出ないといけない熱性疾患(特に子供の)に は、その時だけは熱を下げます。だから疾患特異性で使って間違いないのです。例えば一番見つけられるのが水痘です。これを使うと経過は少なくとも三分の二 ぐらいに短縮します。麻疹とか風疹というのもこれを使うと内攻しないのです。耳下腺が腫れるのは邪を出そうとしているのです。一応これらの治療は麻黄剤で も良いということになっています。ある程度の発表作用があるのです。麻黄湯、桂麻各半湯、あるいは葛根湯でもある程度は良いのですが、経験的に升麻葛根湯 の方がこういう病気のときはきれいに外に出しますし、早く解熱します。面白いことにこういう病気の時に限って、子供はこの薬を喜んで飲みます。普通の風邪 の時に漢方を嫌がる子供も、そういう病気の時はこの薬を嫌がらずに飲みます。だから本当に合うのですね。ウイルス性の発疹や溶連菌感染による発疹等、外に 出そうとする状態に良く効きます。それ以外には使った事はありません。陰病に使ったことも全くありません。

 

ここで質問あり(帯状疱 疹について)。帯状疱疹はちょっと違うのです。帯状疱疹ウイルスはかなり長く人間の体の中に巣くっているからです。やはり外から入って来て、すぐ反応して 出るものに升麻葛根湯は効きます。おそらく病邪の深さが違うのだろうと思います。帯状疱疹はかなり深いところに潜り込んでいて出てくるのでしょう。使って みましたけれどもあまり効きません。ちなみに帯状疱疹は葛根加朮附湯がほとんど特効的に効きます。葛根加朮附湯はほとんど慢性疾患に使う薬ですが、急性疾 患では帯状疱疹ぐらいにしか使いません。升麻葛根湯は表面で外に出よう出ようとしていて、浅いところに邪がある時に使います。慢性疾患に使ったことがな く、普通の風邪に使ったこともありません。邪が表面にある時に使い、子供も大変喜んで飲んでくれるという非常に不思議な薬なのです。この薬は傷寒、金匱で はなく、万病回春の薬で、この附近の薬は私はよく悪口を言いますが、全部悪いと言っているわけではなく、良い薬がいっぱいあります。

次は酸棗仁湯です。酸素 仁というのはそのまま食べてもおいしいのです。なつめの仲間ですからおつまみにもなります。ただ大棗などは限りなく食べ物に近いので、生姜と合わせて胃腸 を補う隠し味のようにして使っているのですが、酸棗仁ははっきり薬効があります。神を安ずる作用がかなり強く出ています。知母で興奮症状をさまします。川 芎は軽く血を廻らし、茯苓は酸棗仁と同じ神を安じます。金匱要略の薬です。知母、川芎を配合した意味が未だに私も解らないのです。ある意味では絶妙なのか とも思いますが、知母、川芎がなくても良いのかという気もしなくもないのです。本来の目的から言えば、酸棗仁と茯苓だけで良いのかもしれません。酸棗仁湯 と言えば、何となく眠り薬という言い方をされていますが、漢方薬に睡眠薬はありません。強いて言えば、睡眠作用に近いものに遠志がある程度です。木香にも 僅かにありますね。遠志はプロドラッグとしての作用が僅かにあります。だから遠志や木香の入っている薬は一応、催眠薬と言っても良いかも知れません。不眠 の時何を飲みますかと言うと、教科書の筆頭に出てくるのが酸素仁湯なのです。でも、この薬の中にはそういう成分が全然入っていないのです。これは何なのか と言うと、眠るのは心が眠るのです。嗜眠は間違いなく少陰の障害です。眠くて仕様がないと言う人は間違いなく少陰です。少陰の治療をして元気になってくる とだんだん眠らなくなってきます。と言うか、正常な眠りになります。逆に言えば、心が一つのリズムを持っていて、昼は起きていて夜は眠ると言うのが正常で す。眠らせるというのは拷問にはならないけれども、眠らせないというのは拷問になります。眠るというのは心が休む事です。眠らせないと心がどんどん疲労し ます。生命は腎から出発して、体が出来上がったら生きている中心は心です。心が死ねば全て死ぬのです。脳死になるとどんなに治療しても2週間以内にMOFに なって死んでしまいます。要するに臓器がばらばらになってしまうのです。だから、心は本来自分のリズムを持っていて、条件が整えば眠るのです。だから不眠 というのは条件を整わせないのが原因になります。

心が眠るためのいちばん 簡単な条件は敷布団の脾と掛け布団の肺が要ります。

音や刺激による肝の亢進 や、腎がオーバーヒートさせることによる心の過労を取り除くのも必要です。腎が原因するのはあまり日常的なものではありません。

肺と脾が原因の不眠は何 とかなりますが、肝と腎の原因による不眠はなかなか大変です。ストレスは社会的原因によるものだから、薬だけで簡単に対処できないものです。「そんなこと あったら誰だって眠れないよ。」というような状態はどうしようもないです。自分の体の内部だけの問題ではないのです。腎にオーバーヒートさせられた心の過 労もなかなか難しいのです。オーバーワークをいつもさせられているからです。肝と腎による不眠は社会的なものが絡んでいるので非常に難しいのです。でも、 そうでない不眠の場合で、人間の体の内部だけの調節で済む不眠であれば、肺と脾の調節だけで良いのです。敷布団を用意して、掛け布団をかけてあげれば、肝 と腎の問題が無ければ眠るなと言っても寝てしまうのです。少し敷布団が熱くなっていたりしたとき居心地を良くするのが知母や酸棗仁です。余計なことをしな ければ肺は黙っていても心に被ってきます。普通の時はバイオリズムで言えば夜の9時 から朝の3時まで、肺は心に被るようになっているのです。 だから早寝早起きが良いのです。前にも言いましたように、一日の始まりは夜からなのです。現代人はひどい人になると朝3時頃から寝ようとしますが、布団が外れた状態で寝てしまうのです。寝る寸 前まで物を食べてしまうと非常に寝心地の悪い布団の上に寝ることになります。疲れているから寝てしまうのですが、良い眠りにはならないのです。それを繰り 返していると睡眠リズムが乱れるのです。不眠の治療と言うのはそんなに難しいことではありません。肝とストレス、心腎と過労の問題は柴胡剤を使ったり、い ろいろやってみるしかないのですが、普通の不眠の場合は肺と脾のちょっとした不安や不安定さを休ませてあげれば、心は自然に寝てくれるのです。それを目的 としているのが酸棗仁湯です。酸棗仁湯で眠れる人と言うのは、飲んだその時からきわめて自然な眠りになります。不快な眠りではなく自然な眠りを助けている のです。鍼で眠りを誘うときは耳の胃の穴を取ります。更に足すときは大腸の穴を取ります。不安というのは胃に来ます。どうしても心の不安定さがある時は小 腸の穴を取るときもありますが、大抵は胃の穴で治まります。ベッドを落ち着けてやればそれだけ眠れるようになります。不眠を訴える人の半分はその程度で済 むのです。但しこの鍼だけをしてもダメなのです。体全体を調節する穴に鍼をして、その上で胃の穴に鍼をすると眠れるようになりますが、投薬と全く同じこと をやっているのです。実は私はこういうことをやっているうちに、今言った様なことがだんだん解ってきたのです。最初から解っていてやったのではないので す。この様にやってみると眠るようになっていくのが解ったのです。何でも聞かれないと考えないのですね。いつだったか嗜眠はどうして起きるのでしょうと突 然聞かれて、その時初めて考えて「嗜眠は心です。」と答えました。その時からずっと考えてやっていたら、こういう事がだんだん身についてきました。酸棗仁 湯で大事な事は以上の様ですが、要するに柴胡まで使わないで川芎で治まる肝気の昂ぶりや茯苓、知母程度で治まる腎の病証と言うものもそんなに重いものでは ありません。ほとんどは酸棗仁と茯苓の作用だと思います。

テキストにある様に大切 な事は古典には「虚労」とあり、酸棗仁湯は非常に虚している人に使うと思われていますが、現実には全くそうではありません。かなり丈夫な人に使っても良い のです。これは傷寒論の読み間違いなのです。虚労と書いてありますが、古方の方々は虚証の人が疲労して眠れないと解釈しています。そうではないのです。正 確に解釈するなら「虚にして労す」のであれば「虚而労」とあるはずです。而はand butで す。「そしてそれにもかかわらず」の意味です。而が入っていないのであればそのまま読むべきで、「虚しく労す」となります。労する事は意味が無いという意 味です。だから取り越し苦労とか本当は大したことではないのにくよくよして気持ちが患って、ベッドが安定しないで布団もかからないと言う意味です。外から 入ってくる肝や心をオーバーヒートさせる腎の影響は大した事は無いのに何となく落ち着かないで眠れない、その程度の不眠なら酸棗仁湯で良くなりますという 条文です。だからそんなに強い薬も入っていません。弱い薬でもありません。強い人でも弱い人でもどちらでも使えます。次は桂枝湯とその変方が4処方続きますので、今回はこれで終わります。質問をどうぞ。

 

質  問

子供の風邪の治療と柴胡 剤について

答  え

柴胡剤や白虎加人参湯の 証まで行くと、かなり深いところまで行っています。傷寒は陽明から始まりますが、太陽と陽明の合病で発病するものは、きちんと治療すれば最後まで太陽と陽 明の合病で終わらせないといけないのです。例えば、柴胡剤と言う事になると少陽まで行ってしまっているのです。先生は日本漢方で勉強されたものかも知れま せんが、本当は承気湯を使わなければならない時に、日本漢方はしばしば柴胡剤を使うのです。そうしたとしても子供は体力があるから、少陽の部分を補強する ことで少陽に入る前に逆にはじき出してしまうのかも知れません。本来は日本漢方で柴胡剤を使うレベルでは、古典をしっかり読めば、本当は承気湯を使うべき なのです。それを柴胡剤を使うようなことをやると、場合によっては髄膜炎にまでなる可能性が私はあると思います。承気湯のお話しの時に言いましたけれど、 そこで承気湯を投与すると中に籠っているものを出してしまいますので、気の逆流で脳に入るのを防ぐことが出来るのです。要するに、太陽と陽明の合病がその ままの形でちょっと損なったら白虎加人参湯になる訳ですが、日本漢方は柴胡剤を併用することが多いのです。それによって本人の治癒力ではじき返している部 分もありますけれど、逆にこじらせている部分もあるのではないかと思います。

 

質  問

升麻葛根湯と葛根湯につ いて

答  え

外に出さなければいけな い病証にはこの升麻葛根湯は特異的に効きます。もちろん葛根湯でも良いのですが、このように発表をしなければならない病証では小児であれば時によっては葛 根湯は倍量ぐらい使わなければなりません。葛根湯も発表作用はあるのですが、升麻葛根湯に較べるとちょっと弱いのです。

 

質  問

葛根湯を使っても熱が続 いている場合は?

答  え

普通はこじれていくと白 虎湯ではなくてやはり承気湯に近いものになっていきます。葛根湯に大黄を加えていくとかあるいは葛根を減らして桂枝加芍薬大黄湯みたいなものにします。そ れでもダメだったら承気湯を使うというやり方になります。あるいはもちろん葛根湯に調胃承気湯を加えて行くとかしても良い時もあります。

 

質  問

ヘルパンギーナについて

答  え

ヘルパンギーナも勿論、 升麻葛根湯が効きます。但しヘルパンギーナの場合は升麻葛根湯に桔梗湯を加えてあげます。桔梗湯はお湯に溶かないでそのまま混ぜてあげた方が良いようで す。但し髄膜炎を起こすようなタイプの時は早い時期から承気湯ですね。承気湯は下痢するぐらい使います。要するに肺に入っている邪を大腸から出すのです。 今年は夏風邪が流行っていないため、その治療はしていないので推測なのですが、本来はそういうことなのです。

 

質  問

帯状疱疹の治療について

答  え

帯状疱疹の痛みというの は、太陰の帯脈と言って、太陰経を主経脈として帯脈から準経脈で厥陰経、少陰経と三経につながって行く様な鍼をします。かなりの痛みでも半減するか、場合 によっては消失します。一回の鍼で10日ぐらいは効きま す。10日過ぎると痛みが出始めます。2週間に1回 鍼をします。太陰の痛みをその表の陽明に出し、更に皮膚に出しているのが帯状疱疹の痛みですから、主薬は葛根湯です。表面に何となく水の停滞があるので朮 を加えます。

体力が弱っている人は白 朮でなければなりません。ある程度体力のある人は蒼朮でも良いでしょう。それに附子を加えます。出来上がった製剤ならサンワさんで出しています。鍼と葛根 加朮附湯で治療します。私のところでも延々と治らない人と言うのは、私のところに来るまで10年 も他にかかっていてうつ状態で、それこそ仮面様顔貌みたいになってしまった人です。それでも鍼をすると10日 は痛みが引きます。2週間後は泣いて通ってきます。重症の 人はそれぐらいですが、帯状疱疹の後遺症は普通の人で長くても鍼は数ヶ月で要らなくなり、あとは薬だけ服用してよい状態になります。大抵の方は薬だけ延々 と飲み続けるかたが多いです。余程この痛みは幸いのですね。

ではこれで終わらせてい ただきます。

 

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