正常骨               骨粗しょう症骨

骨粗しょう症とは?

『骨 粗しょう症』骨がもろく なって(骨の中がスカスカ)、骨折しやすくなる病気です。骨折しやすいのは脊椎(背 骨)や手首、大腿骨頚部骨折(脚のつけ根)などです。特に背骨は前屈みで仕事をしたり、軽い物を持っただけでも折れてしまうことがあります。

骨粗しょう症の種類

明らかな原因がない原発性骨粗鬆症と他の様々 な原因に伴って発症する続発性骨粗鬆症があります。
■続発性骨粗鬆症:甲状腺機能亢進症、ステロイド性、抗てんかん薬内服、関節リウマチ、糖尿病、胃切除 他

骨粗しょう症の検査(骨の強さの測定)

脊椎のエックス線撮影と骨密度検査に加え骨代 謝マーカー(骨質調査)を調べることで骨 の強さを正 しく判断できます。その結果により骨折を起こす危険性を評価します。

■骨密度検査:DXA(デキサ)法、MD法、QUS法があります。当院では橈骨DXA法で検査します。
■骨代謝マーカー:当院では尿NTXを測定します。

骨粗しょう症の診断

?「脆弱性骨折(注 1)あり」なら骨粗しょう症です。

?「脆弱性骨折なし」でも骨密度がYAM(注 2)の70%未満なら骨粗しょう症です。

注1)低骨量(骨密度YAM80%未満か脊椎 エックス線像で骨粗鬆化がある)が原因で、軽微な外力によって発生した骨折

注2)若年成人(20〜44歳)の平均骨密度 値

骨粗しょう症の治療

骨粗しょう症の治療目的は骨折リスクを抑制す ることです。骨折予防のためには、骨自体の強度を維持・向上させることと転倒を防止することが必要です。骨粗しょう症と診断された人には、早期から薬物治 療を開始します。また、同時に食事指導と運動指導も行います。

骨粗しょう症の治療薬

骨折抑制効果があるのはビスホスホネート製剤 (ボナロン、ベネット、ダイドロネル)とラロキシフェン(エピスタ)です。疼痛緩和にはカルシトニン製剤が有効です。

骨粗しょう症の食事指導

骨粗しょう症治療に必要な栄養素は、カルシウ ム、ビタミンD、ビタミンK、タンパク質です。

■カルシウム:牛乳、乳製品、小魚、干しえ び、大豆、小松菜など
■ビタミンD:サケ、ウナギ、サンマ、きくらげなど
■ビタミンK:卵、納豆、ほうれん草、にら、ブロッコリーなど
■タンパク質:肉、魚介類、大豆製品、チーズ、牛乳など

骨粗しょう症の運動指導

運動を継続的に行うことが転倒・骨折の予防に つながります。
ウオーキング、ランニング、エアロビクス運動は骨量低下防止に有効です。また、筋力低下による転倒防止にビタミンDの投与を考慮します。

骨粗しょう症の予防

■カルシウムやビタミンDを中心にマグネシウ ム、ビタミンKなどをバランスよく取る食事を心がけましょう
■骨に適度な負担をかける運動はカルシウムを骨に取り込み、骨を丈夫にします。
■日光浴はカルシウムの吸収を高めるビタミンDの産生を高めます